保証人を頼まれたとき
夫(妻)は老人ホームの保証人になれる?|施設が配偶者以外を求めることがある理由
更新日 2026年10月26日
連帯保証人を家族に頼めないときは1分チェック(無料・匿名)→
結論
夫や妻(配偶者)が保証人になれるかどうかは、施設の契約の条件によります。配偶者で受け付ける施設もありますが、配偶者以外の人を求められることもあります。 配偶者も同じように年を重ねていて、家計も同じことが多いため、もしものときに役割を果たせなくなる心配を考える施設があるからです。役割を分けて準備すると、話が進みやすくなります。
こんな相談がよくあります
- 「夫が施設に入ることになった。保証人の欄に私の名前を書いたら、ほかの方はいませんかと聞かれた」
- 「子どもはいるが遠方で、頼みにくい。妻の私が保証人になればいいと思っていた」
- 「自分も80代。私が保証人で本当に大丈夫なのか不安」
配偶者が保証人になること自体は、珍しいことではありません。ただ、施設によっては「配偶者以外の方も」と言われることがあります。
施設が保証人に求めていること
施設が「保証人」に求める役割は、大きく分けて2つあります。
- お金の役割(連帯保証人):利用料などを払えなくなったときに、代わりに払う
- お金以外の役割(身元引受人):緊急時の連絡と駆けつけ、入院の手続き、亡くなった後の身柄の引き取りなど
厚生労働省の通知(2018年)でも、施設が身元保証人等に求める役割は、本人が払えないときの対応と、本人の判断力が落ちたときの身の回りや財産の管理に大きく分けられると整理されています。
当社が根拠を確認できた施設1,428件(2026年10月26日時点、大阪府・東京都。地域全体の割合ではありません)のうち、781件は、身元引受人が利用料の連帯保証も負う形、つまり1人が両方の役割を担う形でした。配偶者が保証人になると、お金とお金以外の両方を、同じように年を重ねた1人が担うことになりやすいのです。
配偶者以外を求められることがある理由
施設によって考え方は違いますが、次のような事情から、配偶者以外の人を求めることがあります。
- 家計が同じ:入居する方が払えなくなったとき、同じ家計の配偶者も払えないことがある
- 年齢が近い:配偶者が先に入院したり、亡くなったりして、役割を果たせなくなることがある
- 連絡と駆けつけ:夜間や急な入院のときに、配偶者だけでは動けないことがある
法律の面では、個人が利用料の連帯保証人(根保証)になるとき、保証する上限額(極度額)を書面で決める必要があります(民法465条の2)。また、保証人が亡くなると、その時点で保証する元本が確定し、それ以降に発生する利用料は保証の対象になりません(民法465条の4)。施設の資料には「速やかに新たな連帯保証人等を選定し、当ホームに通知します」と書かれていることがあり、配偶者が保証人の場合は、この「欠けたとき」が早く来るかもしれない、と考える施設もあります。
保証人になる方が5年・10年のうちに亡くなる確率の目安は、保証人の5年後で確かめられます。
配偶者が保証人になるときに、やっておきたいこと
- 入りたい施設の条件を確かめる:配偶者で受け付けるか、ほかの人も必要か。施設を探すで施設ごとの条件と根拠を見られます
- 役割を分ける:緊急時の連絡は配偶者、お金の役割は保証会社、亡くなった後のことは子どもや身元保証の事業者、のように分けられないか考える
- 契約書の極度額を確かめる:連帯保証人になるなら、上限額がいくらかを確認する(極度額チェック)
- 「もしものとき」を決めておく:配偶者が入院したり亡くなったりしたら、誰が代わるか。保証人が欠けたときの手続きもご覧ください
よくある思い込み
- 「配偶者なら、自動的に保証人になる」:なりません。保証人は、施設との契約で、本人が署名して引き受けるものです。配偶者でも、引き受けるかどうかは自分で決められます
- 「保証人=お金を払う人」:施設が保証人に求める役割は、お金だけではありません。緊急時の連絡や入院の手続き、亡くなった後のことも含まれることが多く、どの役割を誰が担うかは分けて考えられます
- 「保証人がいないと、どこにも入れない」:施設ごとに条件が違います。当社が確認できた施設でも、いない場合の相談に応じる施設や、保証会社を使える施設がありました(下の実例)
施設に聞いておきたいこと
見学や申し込みのときに、次のことを聞いておくと、あとで「配偶者だけでは足りない」と言われて慌てずに済みます。
- 配偶者が保証人(身元引受人・連帯保証人)になれるか。ほかの人も必要か
- 身元引受人と連帯保証人は、同じ人でよいか、別の人が必要か
- 保証人が入院したり亡くなったりしたとき、どうするか。新しい保証人はいつまでに必要か
- 連帯保証人の代わりに、保証会社を使えるか
- 連帯保証人の上限額(極度額)はいくらか
エルすまいるの各施設のページには「施設に聞くときの質問リスト(印刷用)」があります(施設を探す)。聞きにくいときは、当社が代わりに確認することもできます。
子どもに頼むときの伝え方
子どもに頼みたいけれど言い出しにくい、という声もよく聞きます。そんなときは、全部をまとめて頼まず、役割を分けて伝えると受け止めてもらいやすくなります。
- 「お金の責任(連帯保証人)は保証会社を使えるか確かめるので、緊急時の連絡先だけお願いできる?」
- 「私が元気なうちは私が対応する。私に何かあったときだけ、代わりをお願いしたい」
子どもの側も「親の連帯保証人になるのは不安」と感じていることがあります。子ども向けの親の老人ホームの連帯保証人になりたくないときも、話し合いのきっかけにお使いください。
子どもや親族に頼みにくいとき
お金の役割は、保証会社を使える施設があります。当社が確認できた1,428件では、連帯保証人について「保証会社で可」が89件、「いなくても相談可」が47件でした。身元引受人は「いなくても相談可」が440件あります。資料に「必要」と書かれていても、いない場合の相談に応じる施設もあります。
お金以外の役割は、身元保証や死後事務を引き受ける事業者に頼む方法もあります。国は「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」(2024年)で、こうした事業者を選ぶときに確かめたい点をまとめています。
エル保証でできること・できないこと
エル保証が引き受けるのは、利用料の支払い(お金)だけです。配偶者や子どもに連帯保証人を頼めないときに、その代わりとして使えるかを、当社が施設に確認します。
緊急時の連絡、入院の手続き、亡くなった後の手続きは、エル保証の対象外です。配偶者が担える役割と、ほかの方法で埋める役割を、一緒に整理します。入居の判断は施設が行います。
次に読む・使う
よくある質問
Q. 配偶者は、老人ホームの保証人になれませんか?
なれるかどうかは、施設の契約の条件によります。配偶者で受け付ける施設もあれば、配偶者以外の人を求めることがある施設もあります。入りたい施設の条件を確かめるのが確実です。入居の判断は施設が行います。
Q. 配偶者のほかに頼める人がいないときは、どうすればいいですか?
役割を分けて考える方法があります。たとえば、緊急時の連絡は配偶者が担い、お金の役割(連帯保証人)は保証会社を使う、といった形です。保証会社を使えるかは施設ごとに違うので、当社が無料で施設に確認します。
根拠をくわしく(運営会社のコラム)
法律・国の通知・統計の根拠と、専門職の方向けの実務は、運営会社(株式会社LAST SOLUTIONS)のコラムで解説しています。
出典
この記事を書いた人
羽田 圭佑(株式会社LAST SOLUTIONS 代表取締役)
損害保険会社で支払査定・引受審査に従事したのち、株式会社LAST SOLUTIONS を設立。介護施設の利用料の保証(エル保証)を運営。
最終更新日 2026年10月26日
エル保証が引き受けるのは利用料の支払い(お金)だけです。緊急時の連絡・入院・亡くなった後の手続きは対象外です。