退院が決まったら、何から決める?
公開日 2026年10月20日/更新日 2026年10月21日
結論
退院が決まったら、まず病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)に相談しましょう。 決める順番は「退院後の住まい」「介護保険の手続き」「お金の見通し」「保証人の役割の埋め方」です。保証人がいない場合も、役割ごとに準備すれば施設探しを進められます。
最初に、誰に相談すればいい?
入院中の方は、病院の医療ソーシャルワーカー(MSW)に相談するのが近道です。MSWは、入院中の生活や、退院後の暮らしについて相談にのる専門職です。病院によっては「地域連携室」「相談室」などの名前の窓口にいます。
すでに介護保険のサービスを使っている方は、担当のケアマネジャー(介護サービスの計画を立てる専門職)にも早めに連絡しましょう。
ご家族が遠方にいる場合は、電話やオンラインで相談に加われるかを、MSWに聞いてみてください。
ステップ1 退院後、どこで暮らす?
最初に決めるのは、退院後の住まいです。大きく分けると、次の3つです。
- 自宅に戻り、介護サービスを使いながら暮らす
- 介護保険施設(特別養護老人ホームや介護老人保健施設など)に入る
- 有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に入る
どれがよいかは、体の状態、必要な介護の量、お金、本人の希望によって変わります。
特別養護老人ホーム(特養)は、原則として要介護3以上の方が対象です。要介護1・2の方は、やむを得ない理由がある場合を除いて新たに入所できません。要支援の方は利用できません。
いちばん大切なのは、ご本人の希望です。「どこで、どう暮らしたいか」を、まずご本人に聞いてみましょう。
ステップ2 介護保険の手続きは、済んでいる?
施設や介護サービスを使うには、多くの場合、要介護認定(どのくらい介護が必要かの判定)が必要です。
要介護認定の申請は、お住まいの市町村の窓口で行います。地域包括支援センター(高齢者の総合相談窓口)でも相談できます。入院中なら、MSWが手続きの進め方を教えてくれます。
すでに認定を受けている方は、認定の有効期間と、今の要介護度を確認しましょう。入院で体の状態が変わった場合は、見直しが必要になることもあります。
ステップ3 お金の見通しは、立っている?
施設を選ぶときは、毎月いくら払えるかが大切です。次のものを確認しましょう。
- 毎月の年金の額(通帳や年金の通知書で確認できます)
- 預貯金の額
- そのほかの収入や資産
介護保険施設では、所得や預貯金が一定以下の方は、食費と居住費の負担が軽くなる制度(負担限度額認定)があります。市区町村への申請が必要です。
費用の目安は施設の費用は、いくらかかる?で説明しています。何年くらい支払いを続けられるかは、資金シミュレーションで確認できます。
ステップ4 保証人の役割は、どう埋める?
施設に入るときは、保証人に期待される役割を、誰が担うかを決めておくと話が進みやすくなります。エルすまいるでは、この役割を「入居中の毎日」「入院・医療」「亡くなった後」の3つの場面と、7つの役割に分けています。
| 役割 | 主な埋め方 | |
|---|---|---|
| R1 | 利用料の支払い(連帯保証) | エル保証、身元保証会社、ご本人の資産 |
| R2 | 緊急時の連絡と駆けつけ | ご家族・知人、身元保証会社 |
| R3 | お金の管理と手続き(判断能力が落ちたとき) | 社会福祉協議会の日常生活自立支援事業、成年後見(法定後見・任意後見) |
| R4 | 入院・退院の手続きと付き添い | 身元保証会社、後見人(手続きのみ)、ご家族・知人 |
| R5 | 医療やケアの方針 | ご本人の事前の意思表示(人生会議・事前指示書) |
| R6 | 身柄の引き取り・葬儀・納骨 | 死後事務委任契約、身元保証会社 |
| R7 | 荷物の整理・退去・各種の解約 | 死後事務委任契約、身元保証会社、後見人(一部) |
退院までに全部を埋める必要はありません。まずは「今どこまで決まっているか」を整理しましょう。
R1「利用料の支払い(連帯保証)」については、当社(株式会社LAST SOLUTIONS)の「エル保証」を導入している施設なら、当社の保証で埋められる場合があります。エル保証は施設と当社が保証の契約を結ぶもので、ご本人が直接申し込むものではありません。保証には上限があり、お引き受けできない場合もあります。料金と条件は、ご相談のときにご案内します。詳しくはエル保証のサイトをご覧ください。
それぞれの埋め方は、保証人の7つの役割と、それぞれの埋め方で詳しく説明しています。
ステップ5 施設は、どう探す?
ここまで決まったら、施設を探します。
施設に問い合わせるときは、ステップ1〜4で整理したことを伝えましょう。「保証人はいませんが、利用料は年金と預貯金で支払えます。緊急時の連絡と駆けつけは、この方にお願いしています」のように具体的に伝えると、施設も判断しやすくなります。
退院前のチェックリスト
印刷したり、メモに写したりして使ってください。
相談先
- 病院のMSWに、退院後の暮らしについて相談した
- 保証人がいないことをMSWに伝えた
- ケアマネジャーまたは地域包括支援センターに連絡した
- 遠方のご家族などに、状況を共有した(必要な場合)
住まいと介護
- ご本人の希望(どこで、どう暮らしたいか)を聞いた
- 退院後の住まいの候補を決めた(自宅・介護保険施設・有料老人ホームなど)
- 要介護認定を受けている、または申請した
- 今の要介護度と、認定の有効期間を確認した
お金
- 毎月の年金の額を確認した
- 預貯金の額を確認した
- 負担を軽くする制度(負担限度額認定など)の対象か確認した
- 毎月払える金額の上限を決めた
保証人の役割
- R1 利用料の支払い(連帯保証)
- R2 緊急時の連絡と駆けつけ
- R3 お金の管理と手続き(判断能力が落ちたとき)
- R4 入院・退院の手続きと付き添い
- R5 医療やケアの方針(人生会議・事前指示書)
- R6・R7 亡くなった後のこと(死後事務委任契約など)
書類と持ち物
- 介護保険の被保険者証
- 健康保険の資格を確認できるもの
- 年金の通知書と通帳
- お薬手帳
退院の日までに間に合わないときは?
施設がすぐに決まらないこともあります。その場合は、無理に急がず、MSWに次のことを相談してみてください。
- 一時的に、介護老人保健施設やショートステイを使えるか
- 自宅に戻って介護サービスを使いながら、施設を探せるか
身元保証会社と急いで契約する前には、身元保証会社の選び方で確認したい点を見ておきましょう。急がされて決めると、あとで後悔することがあります。
言葉の意味が分からないときは、用語集もご覧ください。