専門職向け
退院まで時間がない、保証人がいない患者さんの行き先を決めるには
更新日 2026年10月26日
連帯保証人を家族に頼めないときは1分チェック(無料・匿名)→
結論
保証人がいない患者さんの退院先は、退院予定日から逆算して、いくつかのことを同時に進めるのが近道です。 保証人の役割をお金とお金以外に分け、条件の分かる施設から当たり、お金以外の役割は制度や事業者で埋めます。候補の施設への確認は、当社が無料で代わりに行います。
よくある場面
「退院の日が近いのに、施設の申込書の保証人の欄が埋まらない」「家族はいるが、連絡がつかない、または保証人は引き受けられないと言われた」。病院の相談員(医療ソーシャルワーカー、MSW)の方から、こうした相談が当社にもよく寄せられます。
退院先が決まらないと、患者さんにとっても病院にとっても負担が大きくなります。順番に1つずつ進めるのではなく、並行して進められることは同時に始めるのがポイントです。
退院予定日から逆算する手順
1. 最初に、支援の手がかりを確かめる
厚生労働省の研究班がまとめた「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」では、退院支援が必要な場合、退院先や退院後の生活について本人に相談するとともに、次のことを確認するよう示しています。
- ケアマネジャー(または相談支援専門員)の関わりがあるか
- 任意後見の契約があるか
- 身元保証などのサービスの契約があるか
関わりのあった専門職がいれば、その人と本人の意思を確かめながら、退院先の選択や手続きの分担を決めます。関わりがない場合は、新たに本人を支えるチームを作る必要があり、高齢者の場合は地域包括支援センター、経済的に困窮するおそれがある場合は生活困窮者の相談窓口への相談が必要になる、とされています。
2. 「保証人」を役割に分ける
施設が保証人に求めることは、大きく2つに分かれます。
- お金の役割(連帯保証人):利用料などを払えなくなったときに、代わりに払う
- お金以外の役割(身元引受人):緊急時の連絡と駆けつけ、入院の手続き、退去や亡くなったときの身柄・荷物の引き取りなど
患者さんの収入(年金など)と預貯金、頼める人の有無を確かめ、どちらの役割が足りないのかを整理します。7つの役割チェックや、A4の7つの役割の確認表が使えます。
3. 条件の分かる施設から当たる
施設の保証人の条件は、自治体が公開する重要事項説明書に書かれていることがあります。エルすまいるでは、当社がその記載を読み、施設ごとに根拠と日付を添えて表示しています。
病院の近くから探すときは病院の近くから探す、地域ごとにまとめて見るときは地域別「保証人の条件」一覧(印刷・PDF保存、登録不要)が使えます。
4. 候補の施設への確認を、急ぎで依頼する
条件が分からない施設や、資料が古い施設は、直接の確認が必要です。退院が近いときは、LINEで「【至急】」と、候補の施設名(または施設番号)、退院予定日を送ってください。受付時間内(平日9:00〜18:00)のご依頼は、その日のうちに施設への確認を始めます。
確認する内容は、連帯保証人がいない場合に保証会社で代われるか、身元引受人がいない場合にどの役割を誰が担えばよいか、の2つが中心です。くわしくは専門職の方へをご覧ください。
5. お金以外の役割を、同時に手当てする
お金以外の役割は、時間がかかるものもあるため、施設への確認と並行して始めます。
- 判断能力に不安がある場合:成年後見制度。家庭裁判所が後見人等を選ぶ法定後見と、本人が元気なうちに選んでおく任意後見があります。必要そうなら、早めに地域包括支援センターなどと相談を始めます
- 緊急時の連絡、入退院・入退所の支援、亡くなった後の事務:身元保証などのサービスを行う事業者。国は2024年6月に「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を出し、契約内容の説明や預託金の管理などについて、事業者が守るべきことを示しています
- 亡くなったときの遺体の引き取り:引き取る人がいない場合は、法律にもとづいて市町村が行うことになる、と上のガイドラインに書かれています
同時に進めることを、1枚にまとめる
退院までの時間が限られているときは、誰が何をいつまでに進めるかを、関係者で共有しておくと進みが早くなります。たとえば次のように分けます。
- 病院の相談員:本人の意向の確認、候補の施設の洗い出し、当社への確認の依頼
- 地域包括支援センター・ケアマネジャー:退院後の介護サービスの調整、地域の支援者とのつなぎ
- 成年後見・身元保証などの関係者:お金以外の役割の手当て
役割ごとの担い手を書き込める7つの役割の確認表を、打ち合わせでそのままお使いいただけます。
入院・入所と「保証人がいない」こと
厚生労働省は、2018年4月27日の通知で、入院による治療が必要なのに、身元保証人等がいないことのみを理由に医師が入院を拒否することは、医師法の「正当な事由」に当たらないとしています。
介護保険施設(特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院など)についても、2018年8月30日の通知で、身元保証人等がいないことは、サービスの提供を拒否する正当な理由には該当しないとしています。
一方、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅は、施設との契約の条件によります。施設ごとに条件を確かめる必要があります。
施設の条件の実例(当社のデータ)
当社が根拠(自治体が公開する重要事項説明書・施設の回答)を確認できた施設は、2026年10月26日時点で1,428件です(大阪府433件・東京都995件)。地域全体の割合ではなく、当社が根拠を確認できた施設だけを数えています。
- 連帯保証人(お金):必要 861件/資料に記載なし 431件/保証会社で可 89件/いなくても相談可 47件
- 身元引受人(お金以外):必要 934件/いなくても相談可 440件/資料に記載なし 45件/不要 9件
- 身元引受人が利用料の連帯保証も負う形(1人が両方を担う):781件
資料では「身元引受人が設定できない場合は要相談」と書かれていることが多く、身元引受人がいなくても相談できる施設は440件あります。ただし「要相談」は入居できるという意味ではありません。また、1人が両方を担う形の施設では、お金の役割だけを保証会社で代われるかを確かめることが大切です。
エル保証でできること・できないこと
エル保証は、介護施設の利用料の支払い(お金)を保証するサービスです。連帯保証人の代わりに、エル保証を付けて入居の相談に進めるかを、当社が施設に確認します。
エル保証が引き受けるのは利用料の支払い(お金)だけです。緊急時の連絡・入院・亡くなった後の手続きは対象外なので、上の5の方法で埋める必要があります。入居の判断は施設が行います。
ご本人の同意を得たうえで、エル保証の事前審査(1分チェック)を、病院の相談員の方が代わりに入力することもできます。施設への確認に、審査の目安を添えられます。
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よくある質問
Q. 退院が近いとき、施設への確認を急いでもらえますか?
LINEで「【至急】」と、候補の施設名(または施設番号)と退院予定日を送ってください。受付時間内のご依頼は、その日のうちに施設への確認を始めます。受付時間は平日9:00〜18:00です。
Q. 患者さんの情報は、どこまで施設に伝わりますか?
施設にご本人の情報を伝えるのは、ご本人の同意を得た範囲だけです。同意の確認の方法は、担当者がご案内します。
Q. 当社が退院先の施設を探してくれますか?
当社は施設探しの代行や、施設のお勧めはしていません。候補の施設は、ご本人・ご家族と皆さまで選んでください。当社は、その施設にエル保証を付けて入居の相談に進めるかを確認します。
根拠をくわしく(運営会社のコラム)
法律・国の通知・統計の根拠と、専門職の方向けの実務は、運営会社(株式会社LAST SOLUTIONS)のコラムで解説しています。
出典
この記事を書いた人
羽田 圭佑(株式会社LAST SOLUTIONS 代表取締役)
損害保険会社で支払査定・引受審査に従事したのち、株式会社LAST SOLUTIONS を設立。介護施設の利用料の保証(エル保証)を運営。
最終更新日 2026年10月26日
エル保証が引き受けるのは利用料の支払い(お金)だけです。緊急時の連絡・入院・亡くなった後の手続きは対象外です。