保証人の7つの役割と、それぞれの埋め方|3つの場面で整理
公開日 2026年10月20日/更新日 2026年10月21日
結論
施設が保証人に期待している役割は、「入居中の毎日」「入院・医療」「亡くなった後」の3つの場面に分けると、7つに整理できます。 1人の保証人に全部を頼めなくても、役割ごとに別の方法で埋めることができます。どの役割が埋まっていて、どこが空いているかを整理することが、相談の第一歩です。
なぜ「役割」に分けて考えるの?
これまで施設や病院は、ご家族1人に「保証人」としてさまざまな役割をまとめて頼んできました。
総務省の関東管区行政評価局の報告書(2022年3月)でも、病院や施設が保証人に「費用の支払い」や「緊急の連絡先」などの役割を求めていることが紹介されています。
ご家族に頼れない場合、同じことを1人の他人に頼むのは難しいことです。でも、役割を分けてみると、それぞれに使える仕組みがあります。
7つの役割は、どんな場面で必要になるの?
エルすまいるでは、保証人の役割を3つの場面と7つの役割に整理しています。
| 場面 | 役割 | 主な埋め方(例) |
|---|---|---|
| 入居中の毎日 | 1 利用料の支払い(連帯保証) | エル保証、身元保証会社、ご本人の資産 |
| 入居中の毎日 | 2 緊急時の連絡と駆けつけ | ご家族・知人、身元保証会社 |
| 入居中の毎日 | 3 お金の管理と手続き(判断能力が落ちたとき) | 社会福祉協議会の日常生活自立支援事業、成年後見(法定後見・任意後見) |
| 入院・医療 | 4 入院・退院の手続きと付き添い | 身元保証会社、後見人(手続きのみ)、ご家族・知人 |
| 入院・医療 | 5 医療やケアの方針 | ご本人の事前の意思表示(人生会議・事前指示書) |
| 亡くなった後 | 6 身柄の引き取り・葬儀・納骨 | 死後事務委任契約、身元保証会社 |
| 亡くなった後 | 7 荷物の整理・退去・各種の解約 | 死後事務委任契約、身元保証会社、後見人(一部) |
ほかの記事では、役割の番号を「R1〜R7」と書くこともあります。ここからは、場面ごとに埋め方を説明します。
場面1 入居中の毎日
役割1 利用料の支払い(連帯保証)
施設がいちばん気にするのが、毎月の利用料です。ご本人が払えなくなったときに、誰が払うのかという点です。
埋め方は3つあります。
- ご本人の資産:年金の額と預貯金から、何年くらい支払いを続けられるかを示します。見通しがはっきりしていれば、施設も安心しやすくなります。資金シミュレーションで、おおよその見通しを確認できます。
- 身元保証会社:身元保証会社の中には、支払いの保証(連帯保証)を含むサービスを提供するところがあります。どこまで保証するのかは、契約ごとに違います。
- エル保証:当社(株式会社LAST SOLUTIONS)は、介護施設の月額利用料を保証する「エル保証」を提供しています。エル保証は、施設と当社が保証の契約を結ぶもので、ご本人が直接申し込むものではありません。保証には上限があり、お引き受けできない場合もあります。料金と条件は、ご相談のときにご案内します。詳しくはエル保証のサイトをご覧ください。
役割2 緊急時の連絡と駆けつけ
体調が急に変わったときや、夜間に何か起きたときに、施設が連絡し、必要なら駆けつけてもらう相手です。
- ご家族・知人:遠方のご家族や、信頼できるご友人・ご近所の方に、連絡先を引き受けてもらう方法です。お金の保証まで頼むわけではないことを、はっきり伝えておくと引き受けてもらいやすくなります。駆けつけまで頼めるかどうかも、前もって話しておきましょう。
- 身元保証会社:国のガイドラインでも、緊急連絡先の引き受けや緊急時の対応は、身元保証会社のサービスの一つとして挙げられています。夜間や休日にどう対応するかを、契約の前に確認しましょう。
役割3 お金の管理と手続き(判断能力が落ちたとき)
認知症などで判断する力が落ちると、預貯金の出し入れや、介護サービスの利用の手続きを、ご本人だけで進めるのが難しくなります。この役割は、新しく分けて整理したものです。
- 日常生活自立支援事業:厚生労働省の説明では、判断する力が十分でない方が地域で自立して暮らせるよう、利用者との契約にもとづいて、福祉サービスの利用の手伝いなどを行う事業です。預金の払い戻しや預け入れの手続きなど、日々の生活費の管理(日常的金銭管理)も支援の内容に含まれます。実施するのは都道府県・指定都市の社会福祉協議会で、相談はお住まいの市町村の社会福祉協議会が受け付けています。利用するには、この事業の契約の内容を判断できる力があることが前提です。利用料は、実施する社会福祉協議会が定めています。
- 成年後見(法定後見・任意後見):法定後見は、判断する力がすでに不十分な方のために、家庭裁判所が支援する人を選ぶ仕組みです。任意後見は、元気なうちに、将来を任せる人と任せる内容を公正証書の契約で決めておく仕組みです。後見人は、財産の管理や、介護サービス・施設の契約などの手続きを担います。
場面2 入院・医療
役割4 入院・退院の手続きと付き添い
施設に入ってからも、入院することはあります。そのときの手続きや、必要な物の準備、退院のときの付き添いが必要です。
- 身元保証会社:手続きの代行や付き添いをサービスとして提供しているところがあります。
- 後見人(手続きのみ):成年後見人は、入院や退院後の介護サービスの契約などの手続きを行います。一方、付き添いや部屋の明け渡しのような実際の作業は、後見人の仕事には含まれないと整理されています。必要に応じて、そうしたサービスを手配するのは後見人の仕事です。
- ご家族・知人:入院の準備や付き添いなど、できる範囲を前もって話し合っておくと安心です。
役割5 医療やケアの方針
手術を受けるか、延命のための治療をどうするか。こうした判断は、ご本人にしかできません。
身元保証人などの第三者には、医療に同意する権限はないとされています。国の「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」(2024年6月)も、医療同意そのものについて、身元保証人・身元引受人などの第三者には同意の権限はないものと考えられる、としています。
だからこそ、元気なうちに考えを伝え、書き残しておくことが大切です。これがご本人の事前の意思表示です。
- 人生会議:厚生労働省は「人生会議」として、望む医療やケアについて前もって考え、周りの人と繰り返し話し合って共有することを勧めています。気持ちは変わってもかまいません。
- 事前指示書:どんな医療やケアを望むかを、前もって書いておく書面です。変わったら書き直せばよいのです。
場面3 亡くなった後
役割6 身柄の引き取り・葬儀・納骨
亡くなったときに、ご遺体を引き取り、火葬や葬儀、納骨を行う役割です。
- 死後事務委任契約:亡くなった後の手続きを、生前に誰かに頼んでおく契約です。葬儀や納骨、役所への届け出などを、まとめて頼めます。頼む相手は、専門職や身元保証会社などです。費用をどう用意しておくかも、契約の大切な点です。
- 身元保証会社:身元保証会社の中には、死後事務もサービスに含めているところがあります。生前の支援と亡くなった後の手続きを、同じ事業者にまとめて頼む形です。
役割7 荷物の整理・退去・各種の解約
居室に残された荷物の整理や、部屋の明け渡し、公共料金や携帯電話などの解約です。
- 死後事務委任契約:部屋の片付けや、公共料金・携帯電話の解約なども、頼む内容に含められます。
- 身元保証会社:死後事務サービスとして、居室の明け渡しや各種の解約を引き受けるところがあります。
- 後見人(一部):成年後見人は、亡くなった後の手続きのうち、法律で認められた一部に限って行えることがあります。どこまで頼めるかは、後見人に確認しましょう。
7つの役割は、どう整理すればいい?
まずは、次のチェックリストで、今の状態を書き出してみてください。
入居中の毎日
- 1 利用料の支払い(連帯保証):誰が・どの仕組みで?
- 2 緊急時の連絡と駆けつけ:誰に頼む?
- 3 お金の管理と手続き(判断能力が落ちたとき):日常生活自立支援事業や後見の準備は?
入院・医療
- 4 入院・退院の手続きと付き添い:誰が担う?
- 5 医療やケアの方針:人生会議で話し合った?事前指示書はある?
亡くなった後
- 6 身柄の引き取り・葬儀・納骨:契約はある?
- 7 荷物の整理・退去・各種の解約:契約はある?
全部が埋まっていなくても大丈夫です。埋まっていない役割がはっきりすれば、病院の医療ソーシャルワーカーや地域包括支援センター、ケアマネジャーと具体的に相談できます。
よくある質問
Q. 7つの役割を、全部埋めないと施設に相談できませんか?
いいえ、全部が埋まっていなくても相談できます。どの役割が埋まっていて、どこが空いているかを施設に伝えると、話が進みやすくなります。受け入れるかどうかは、施設ごとの判断です。
Q. 身元保証会社に頼めば、医療の同意もしてもらえますか?
身元保証人などの第三者には、医療に同意する権限はないとされています。身元保証会社に頼めるのは、入院の手続きや付き添いなどです。望む医療やケアは、人生会議や事前指示書で、ご本人が前もって伝えておきましょう。
Q. 判断する力が落ちたときのお金の管理は、誰に頼めますか?
お住まいの市町村の社会福祉協議会が窓口の「日常生活自立支援事業」や、成年後見(法定後見・任意後見)が主な方法です。日常生活自立支援事業は、契約の内容を判断できる力があることが前提です。どちらが合うかは、地域包括支援センターや社会福祉協議会に相談しましょう。
Q. 亡くなった後を頼める人がいないと、どうなりますか?
引き取る人がいない場合は、亡くなった場所の市町村長が火葬などを行います。ただ、希望する葬儀や納骨、部屋の片付けまで行われるとは限りません。死後事務委任契約などで、前もって備えておくと安心です。
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- 退院が近い方は、退院が決まったら、何から決める?をご覧ください。
- 言葉の意味は用語集で確認できます。
保証人がいない場合の対応は、施設ごとに違います。施設を探すで施設の情報を確認できます。気になる施設があれば、LINEか施設探しの依頼のフォームでご相談ください。ご相談をいただいてから、当社が施設に確認します(無料)。