施設の費用は、いくらかかる?
公開日 2026年10月20日/更新日 2026年10月21日
結論
国が示している目安では、特別養護老人ホーム(特養)に要介護5の方が入り、介護保険の自己負担が1割の場合、月に約11万円(相部屋)から約15万円(個室)です。 所得や預貯金が一定以下の方は、食費と居住費が軽くなる制度があります。有料老人ホームは施設ごとに料金が大きく違うため、個別の確認が必要です。
施設の費用は、何でできているの?
介護保険施設の費用は、主に次の4つでできています。
| 費用 | 中身 |
|---|---|
| 施設サービス費の自己負担 | 介護にかかる費用のうち、1割(所得によって2割か3割) |
| 居住費 | 部屋代と光熱費にあたる費用 |
| 食費 | 食材料費と調理の費用 |
| 日常生活費 | 理美容代など、施設ごとに決まる費用 |
介護にかかる費用は介護保険が使えるので、自己負担は1割(一定以上の所得がある方は2割か3割)です。一方、居住費・食費・日常生活費は、基本的に自分で払います。
特養だと、月にいくらかかる?
厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」では、特養の1か月の自己負担の目安を次のように示しています。要介護5の方、1割負担、1か月30日で計算したものです。
相部屋(多床室)の場合
| 費用 | 目安(月) | 計算 |
|---|---|---|
| 施設サービス費の1割 | 約26,130円 | 871単位×30日 |
| 居住費 | 約27,450円 | 1日915円 |
| 食費 | 約46,350円 | 1日1,545円 |
| 日常生活費 | 約10,000円 | 施設ごとに設定 |
| 合計 | 約109,930円 |
個室(ユニット型個室)の場合
| 費用 | 目安(月) | 計算 |
|---|---|---|
| 施設サービス費の1割 | 約28,650円 | 955単位×30日 |
| 居住費 | 約61,980円 | 1日2,066円 |
| 食費 | 約46,350円 | 1日1,545円 |
| 日常生活費 | 約10,000円 | 施設ごとに設定 |
| 合計 | 約146,980円 |
要介護度が低いほど、施設サービス費は少なくなります。たとえば特養の相部屋では、1割負担の場合、1日あたりの自己負担は要介護3で732円、要介護5で871円です。
なお、特養は原則として要介護3以上の方が対象です。要介護1・2の方は、やむを得ない理由がある場合を除いて新たに入所できません。
所得が少ないと、安くなる制度はあるの?
あります。主に2つです。
食費と居住費が軽くなる制度(補足給付)
介護保険施設などに入る方で、所得や預貯金が一定以下の方は、食費と居住費の負担に上限が設けられます。正式には「特定入所者介護サービス費」といい、市区町村に申請して「負担限度額認定」を受ける必要があります。
対象になるのは、世帯全員が市町村民税を課されていない方などで、所得と預貯金の額によって段階が分かれます。たとえば特養の場合、1日あたりの負担の上限は次のとおりです。
| 区分 | 食費(1日) | 居住費・多床室(1日) |
|---|---|---|
| 国の基準の額 | 1,545円 | 915円 |
| 第2段階 | 390円 | 430円 |
| 第3段階② | 1,420円 | 530円 |
第2段階は、世帯全員が市町村民税非課税で、年金収入(非課税の年金を含む)とその他の所得の合計が年82.65万円以下の方などです。預貯金が単身で650万円以下であることも条件です。段階や条件の詳しい内容は、お住まいの市区町村で確認しましょう。
介護の自己負担に上限がある制度(高額介護サービス費)
1か月の介護サービスの自己負担(食費・居住費などは除く)が上限を超えると、超えた分が介護保険から支給されます。市区町村への申請が必要です。
上限は所得によって違います。たとえば、市区町村民税が課税されている世帯で、課税所得が380万円(年収約770万円)未満の場合は、世帯で月44,400円です。
有料老人ホームだと、いくらかかる?
有料老人ホームの費用は、施設ごとに大きく違います。国が示す全国共通の目安の額はないため、ここでは費用の仕組みを説明します。
介護付き有料老人ホーム(介護保険の「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設)では、介護にかかる費用は介護保険が使えます。1割負担の場合、1日あたりの自己負担は要介護1で542円、要介護5で813円です。30日にすると、要介護5で約2万4千円です。
これに加えて、次のような費用が別にかかります。
- 家賃(居住費)
- 食費
- 管理費
- おむつ代などの日常生活費
- 施設によっては入居時の一時金
施設を比べるときは、月々の合計額と、入居時に必要な額を分けて確認しましょう。とくに入居時の一時金は、退去したときにどう扱われるかも確認が大切です。
保証人がいない場合、費用は変わるの?
保証人がいない場合、7つの役割を埋めるための費用が別にかかることがあります。たとえば、身元保証会社や死後事務委任契約の費用です。
身元保証会社に預けるお金(預託金)や解約時の返金については、身元保証会社の選び方で説明しています。必要な役割だけを選ぶことで、費用を抑えられる場合もあります。
R1「利用料の支払い(連帯保証)」については、当社(株式会社LAST SOLUTIONS)の「エル保証」を導入している施設なら、当社の保証で埋められる場合があります。エル保証は施設と当社が保証の契約を結ぶもので、ご本人が直接申し込むものではありません。保証には上限があり、お引き受けできない場合もあります。料金と条件は、ご相談のときにご案内します。詳しくはエル保証のサイトをご覧ください。
何年くらい払い続けられるか、確かめるには?
施設を選ぶときは、「今払えるか」だけでなく、「何年払い続けられるか」が大切です。
考え方はシンプルです。
- 毎月の費用から、毎月の年金などの収入を引いて、毎月の不足分を出す
- 預貯金を、毎月の不足分で割る
- 出てきた月数が、預貯金で支払いを続けられるおおよその期間
たとえば、毎月の費用が13万円、年金が月10万円なら、不足分は月3万円です。預貯金が360万円あれば、360万円÷3万円で120か月、つまり約10年となります。
実際には、医療費や、要介護度の変化による費用の増加もあります。余裕をもって見ておきましょう。
エルすまいるの資金シミュレーションでは、年金や預貯金、月々の費用を入れるだけで、おおよその見通しを確認できます。
見通しが立ったら、施設を探すで、予算に合う施設を探してみてください。自分で探すのが難しい場合は、施設探しの依頼もご利用ください。言葉の意味は用語集で確認できます。